ブレナンは、ゲームブック作家の中でも特にファンが多い作家である。
↓の素晴らしいランキング企画が、僕の参入よりよりだいぶ昔に開催されていたわけだがそれ以来、今の今までゲームブック界はほとんど動いていないので、実質的に最新の情報だ。
アリオッチ!アリオッチ!アリオッチ!.2008/02/05
これを見るに、作家としてはトップ3に入る人気だといってよいだろう。
氏は本作を書く前に、「ドラゴンファンタジー」(創土社版は「グレイルクエスト」に改訳)、シリーズ全8巻を執筆している。
本作は、そんな作者による、番外編的な立ち位置にて、当時ひっそりと出版されたのであった。
そういった経緯のため、いくつか、シリーズファン向けのサービス要素がある。
本編を匂わせるようなキャラや用語が出てくるのである。
知らなくても問題はないが、ここで簡単に説明を添えておく。
- ピップ:ドラゴンファンタジーシリーズの主人公で、読者の代わりとなって冒険をするキャラクター。基本的にはマリオライクな、自我のないタイプの人物である。
- 詩的魔神:皆勤賞のキャラクター。中立の存在で、憎めない奴だが自覚のない凶悪。機嫌を損ねると命を奪われる。なお、キャラデザの元ネタは、クラウス・ノミという個性派シンガー。
- 14:お決まりの死に番号。テレビゲームでいうゲームオーバー画面に相当する(ゲームブックだとこれは無いのが普通である)。死ぬと14に飛ばされて、そこからコンティニューするのは、シリーズの特徴であり、名物でもある。巻数が進むにつれて、だんだん雑に飛ばされだすようになる。詩的魔人の機嫌を損ねると14に飛ばされる。
次に遊ぶ作品でも、リアル書籍を紹介。
「シャムタンティの丘を越えて」(旧タイトル:魔法使いの丘)は、西で一番のゲームブック作家による、代表作である。
変な挿絵つながり。これは定番すぎて挙げざるを得ない。
2冊目には定番を薦めておかないと、フェードアウトされる危険性が高まるという問題がここにもある。
「チョコレート・ナイト」は、鈴木直人の作品。
氏の後期作は手軽な作風にシフトしており、本作はパズルブック的な側面がある。
いい作品だが、若干バグがあることが(緻密ゆえ逆に)目につく。
2作目にこそ勧めたい作品である。
「グーニーズ」は、フーゴ・ハルが著して、別名義で発表した作品。
ギミック満載であり、テーマパークみたいに愉快な良作。若干パラグラフの組み方に難があり、ときに時間軸がねじれて、前後に矛盾が生じる。
ちなみに、ゲームブックの最高傑作は何か?という話になると、僕が挙げたいのは、スティーブ・ジャクソンの「モンスター誕生」。
知ることによって世界の見え方が変わる様を、溢れるアイデアで表現している。
良いゲームブックをもっともっと知りたくなったら、やってみるといい。
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